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わがメーリング・リストからの引用 (1)



意見/グレッグ・ニーズ(アメリカ退役海軍軍人)が2001年9月13日(木)
、アメリカ合衆国大統領に宛てた書簡の日本語訳

ブッシュ大統領殿
> >
> >    私はこの国によく尽くし1970年に栄誉ある退役と
> > なった元海兵隊軍曹です。このような手紙を書くのは初め
> > てですが、役人のチェックをうまく通り抜けて無事にあ
> > なたの手元に届くことを祈ります。多くのアメリカ国民同
> > 様、私たちが目撃した2日前の死と破壊におどろきとショ
> > ックを受けました。いまやっとそのショックから立ち直り
> > つつありますが、我が国と世界の国々がおかれている悲し
> > い状況が心配です。私たちは恐ろしい攻撃を受け,たくさん
> > の同胞が苦しみ死にました。虐殺とその犠牲者やその家族
> > の苦しみにやり場のない深い悲しみを覚えます。貴方も
> > 同じように苦しんでおられると思いますし、怒りや焦躁、そ
> > してはっきりと仕返しをしたいという気持もよくわかりま
> > す。このような厭うべき犯罪行為に対して、それは当然で正
> > 当化できる反応でしょう。しかし、大統領には慎重にことを
> > 進めることを忠告したいのです。私たちはいま危険な状況
> > にあります、そしてここでの私たちの過ちはすでに世界に
> > 渦巻いている暴力を容易に拡大することにもなります。
> >
> >   大統領閣下、あなたは今やアメリカ合衆国が単に恐るべき
> > 経済と軍事大国以上のものだということを世界に示す素晴
> > らしい機会を持ったのです。 アメリカが人類の理解と憐れ
> > みの英知に導かれている国というだけでなく、国際法に従う
> > 法を守る信頼できる民主国家であることを世界に示せるか
> > どうかは貴方次第です。あらゆる法的手段をもちいて、この恐ろし
> > い犯罪の犯人を確定し、しかるべき法定で裁いていただきたい。
> > 世界が望んでいる正義を彼らにこそ与えてほしい。しかし、
> > これだけはお願いしたいのですが、この恐るべき犯罪のために
> > それがアメリカ人、イスラエル人、パレスチナ人、あるいは
> > どの国民であれ、これ以上無実の人を犠牲にしてはいけません。
> >
> > 我が国の爆弾と兵器が無実の犠牲者のいのちを奪ってしまう
> > ことがあまりにもよく起こります。軍事的な言い方では「
> > 副次的被害」などとされていますが、実際は殺人とまで言わ
> > なくも大量殺戮だと思います。私たちにさらに多くの無実の
> > いのちを奪う権利があるのでしょうか。それはまたひとつの
> > テロではないでしょうか。私たちは、世界貿易センターを襲
> > った人たちのレベルまで下がるべきなのか、それとも高い
> > 見地に立って、高い法と道徳の基準を保つべきなのでしょうか。
> > 貴方はこれを悪の行為と表現しました。そのような扇動的な
> > 言葉を用いれば単に状況を悪化させるだけでしょう。そのよう
> > な言葉はいとも簡単に報復を叫ぶ群集心理を刺激するだけです。
> > このような時こそ私たちに必要なことは、キリストが諭した
> > 憐れみの精神であり、また世界中の人間の平和と繁栄と民主
> > 主義という私たちの真の目標に到達するための冷静な理性です。
> >
> > 大統領閣下、尊厳と英知を持って私たちを導いてください。
> > そしてこの瞬間猛り狂っている私たちの心の原始的な部分に
> > 力を貸さないで下さい。南アフリカ共和国のネルソン・マン
> > デラが行ったように、真の理解と毅然とした正義を求める
> > 偉大さと力と勇気を持ったリーダーであることを世界に示して
> > ください。この攻撃は悪の行為とみなすより、暴力と破壊しか
> > 自分たちの声を訴える術がないと信じた絶望した人間たちの
> > 恐ろしい最後の行為だと思います。非常に重要なことは、彼らが
> > 恐ろしい不正な手段をあえて使ったことを私たちが知ること
> > だけではなく、自己の命を犠牲にするという最高の英雄行為
> > に訴えるというかれらの絶望にも耳を傾けることです。元
> > 海兵隊員として、自分が真に信じることに自己の命を捧げる
> > ことの意味は理解しています。この人たちは過った恐るべき
> > 指導を受け、憎しみを植え付けられ絶望したのであって決して
> > 卑怯とか悪の人間ではないと信じます。
> >
> >  もし私たちが本当に憎しみと暴力をなくそうとするのなら、
> > 彼ら自身の眼では、自分たちのいのちと生活を奪おうとする
> > 巨大なゴリアテに立ち向かう小さな英雄ダビデに自分たちを
> > 見ていることを理解する必要があります。もちろん彼らの考
> > えに同調する必要はありませんが、もし私たちが永続する平和
> > を望み、私たちがとても大事にしている市民の権利や自由が
> > すべて奪われるような閉ざされた世界にしたくないなら、彼らを
> > 理解しなければなりません。
> >
> > 何ヶ月か前に一人のパレスチナ人の子どもが父親の両腕に何
> > 時間も抱かれている写真が雑誌に載っていました。
> > 銃弾戦に巻き込まれ弾に当たってその子は死んだのですが、
> > そのとき父親は助けようにも動くことが
> > できなかったのです。貴方はこの父親が感じたにちがいない
> > 苦しみ、痛みそして不正感を想像できるでしょうか。貴方自身
> > 父親として自分の子どものいのちが消えつつあるのに自分は
> > 動くことができずなすすべがない状況をどう感じたでしょう。
> > ニューヨークとワシントンで見たあのような絶望的手段に人
> > を駆り立てるのはそのような激しいやり場のないイメージと
> > 感情です。
> >
> >  この危機的瞬間はまた、たくさんの機会の瞬間でもあります。
> > 私は貴方に、この機会にこそ、世界を暴力と苦しみから遠ざけ、
> > 全人類のために平和と自由と豊かさに導いてほしいのです。
> > これらの絶望の声を聞かせてやってください、そして犯人たち
> > を法定で裁いてやってください。私たちが、すべての人に法と
> > 正義を真に信じていることを彼らに見せてやって下さい。
> >
> > ダーバンで最近犯した間違いは止めましょう、そうではなく、
> > たとえ彼らが叫び、私たちが聞きたくないようなことを言って
> > いるとしても、テーブルについて全員の声を聞くようにしま
> > しょう。私たちは本当に強大な存在なのでいつも主張し、他の
> > 人たちは聞くのが当然のように思っています。私たちが他の
> > 人たちの声も聞くことができる勇気ある国民だということを
> > 世界に示そうではありませんか。貴方はキリスト教徒ですね、
> > ですから私は、貴方がイエスキリストが指導したことを正に
> > 行って性急に暴力にうってでるようなことをしないよう祈っ
> > ています。この恐ろしい悲劇の中で、平和への偉大な機会を
> > 見い出す知恵を神が貴方にお与えくださるように。今世紀後
> > に歴史家たちが振り返って、グローバル化する世界を、人類
> > のために正義と民主主義に向わせた貴方の偉大な精神と冷静な
> > 理性を賛美することを私は願っています。
> >
> > 尊敬をこめて、