プ ロ グ ラ ム

◆8月16日(月) 於:北京大学
日中環境教育情報交流協会第1回シンポジウム

9:30〜12:00

1.設立総会宣言:司会: 浩光(中国中央教育科学研究所、教育情報センター主任)
       (中国側)中日環境教育情報交流協会・会長 曹 青陽
       (日本側)日中環境教育情報交流協会・会長 谷口文章
2.あいさつ:
       (中国側)ユネスコ中国事務局長 于 富増
       (日本側)日本環境教育学会・国際交流委員長 阿部 治
3.祝辞:李 安模(北京大学副学長)
4.基調講演:
        曹 青陽「中国における環境教育の現状」
        谷口文章「日本における環境教育の現状」
5.全体記念写真

12:00〜13:30 昼食・休憩

13:30〜17:30

6.シンポジウム「現代の環境問題と教育情報交流−21世紀に向けての環境教育の可能性−」
 コーディネーター:金 世柏(中国中央教育科学院名誉教授)、谷口文章(甲南大学教授)
 シンポジスト:
 中国側 田 徳祥(北京大学教授)「大学における環境教育」
     賈 峰(中国環境保護局宣伝センター副主任)「環境保全における広報教育の位置と効果」
        小礼(北京大学教授)「環境教育と環境倫理」
     王 宗敏(天津市教育科学院院長)「人間と自然の関係についての教育−天津市の環境教育−」
     胡 敏(北京大学環境科学センター主任)「北京大学環境科学センターの設立後の研究成果について」
 日本側 阿部 治(埼玉大学助教授)「日本の環境教育の動向」
     高阪 薫(甲南大学教授)「甲南大学の環境教育」
      クリストファー・ストーリー Christopher Storey
      (英国England・ランカスター大学Lancaster Univ.大学院、甲南大学総合研究所研究員)
      「フィールド・ワークを通じた環境倫理と環境教育
       Environmental Ethics and Education through the Experience of Fieldwork」
     荻原 彰(長野県立須坂高等学校教諭)「日米の環境教育行政の比較」

18:00〜20:00

7.懇親会
  あいさつ
       中国側:李 安模(北京大学副学長・教授)
       日本側:高阪 薫(甲南大学元常任理事・教授)
  司会進行
       中国側:筆 浩光(中日環境教育情報交流協会秘書長)
       日本側:石神由健(日中環境教育情報交流協会事務局長)

◆8月17日(火) 於:北京大学

9:30〜12:00

1.研究発表会:(一人30分、通訳の時間を含む)
 ○A分科会 座長:王 宗敏(中国)、谷口文章(日本)

沈 健(環境科学出版社編集部長、助教授)「中国における環境教育のあゆみ」
渡邉隆俊(甲南大学講師)「環境教育と情報」
筆 浩光(国家中央教育科学研究所教授)「環境教育と教育」
鎌田靖子(阪大院生、大阪回生病院講師)「環境教育の可能性−教育心理学の観点より−」
金 世柏(中国中央教育科学研究所名誉教授)
「21世紀の環境教育に向けての新しい考え方について」

 ○B分科会 座長:曹 青陽(中国)、阿部 治(日本)

周 又紅(北京市西城区青少年科学館高級教師)「環境保全における青少年の役割」
本庄 眞(真美ヶ丘東小学校教諭)「自然文化誌と環境教育」
郭 徳海(河南省鶴壁市中心小学校校長)「我が学校と地域で遂行する環境教育」
飯尾美行(静岡県立浜松城北工業高校教諭)
「実践的環境教育による21世紀のエンジニアの育成−変化を求められる日本の工業高校−」
張 蘭生(北京師範大学教授)「中国小学校における環境教育」

 ○C分科会 座長:田 徳祥(中国)、荻原 彰(日本)

ウェイ 紅蓮(北京大学修士)「環境保護における学生団体の役割」
大島英樹(東大院生、立正大学講師)「経験から学ぶ−成人教育としての環境教育へ向けて−」
毛 小玲 (北京大学講師)「環境教育と経済の持続的発展」
古屋善啓(鎌倉市環境自治体課職員)「環境教育における地域での連携」
楊 愛民(北京大学学生部講師)「女性の立場から見る環境倫理」

12:00〜13:30 昼食・休憩

13:30〜17:00

2.北京郊外環境保護施設視察
    中日友好環境保護センター


開催のことば

日中環境教育情報交流協会の設立にあたって

日中環境教育情報交流協会
会長 谷口文章


1、設立までの歴史
 中国との直接のおつき合いは、今から3年前にはじまる。それは、1996年の12月に甲南大学における国際シンポジウム「環境倫理と環境教育−自然の共生をめざして−」を開催したが、その準備として、筆者が10月に学生を連れて訪中したときのことである。その目的は、北京におられる中央教育科学研究所の金世柏先生を日本にお招きするためであった。その際、中国の国家環境保護局、高碑店汚染処理場、101中学校の環境教育の模擬授業などを訪問・見学・参観した。そして、中国の人々や国家の環境対策の努力を知ることができた。
 中国国家環境保護局では、環境教育の広報を担当されている賈峰先生とお会いしたが、そのことが、先生を次の日中の神戸・東京会議へお招きするステップとなった。世の中は縁のものである。
 いずれにせよ、96年の国際シンポジウムでは、中国(金世柏先生)、タイ(ラダワン・カンハスワン先生)、ドイツ(ヴィルヘルム・フォッセ先生)、カナダ(アラン・ドレングソン先生)をお招きした。その環境倫理と環境教育をめぐってのシンポジウムから大きな成果を挙げることができた。
 その後、97年7月に再び中国を訪問して、金先生から北京育達工商学院院長の曹青陽先生を紹介され、また北京大学の田徳祥先生にお会いすることができた。曹先生が主催されている中国の青年たちの「環境教育の活動」や、田先生が顧問されている「環境と発展協会」の指導に強い印象を受け、日本と中国の交流を深める必要を痛切に感じたのであった。
 97年12月に、翌年の日中共同環境教育シンポジウム(北京)の準備のために、金先生、曹先生、賈先生、周又紅先生を神戸(甲南大学)と東京(学習院大学)にお呼びした。これらの会議は、翌年五月に北京でおこなわれる環境教育についてのシンポジウムの準備のためであったが、筆者にはむしろ日中の環境倫理と環境教育についての情報交流の必要性を感じさせるものであった。このときの経験から、国際シンポジウムと日中の交流を恒常的なものとすることが必要であり、「地球環境と世界市民」国際協会(1998年3月)と日中環境教育情報交流協会(1998年5月)の設立を考えるようになった。
 98年3月に、甲南大学において第3回の国際会議「環境倫理と環境教育−科学技術と人間性をめぐって−」を開催した。そのとき、タイのシリワット・ソンダロトック先生、カナダのナンシー・ターナー先生、オーストラリアのリチャード・スミス先生のほか、中国から北京大学の田先生と3人の院生を招待した。北京大学の学生と甲南大学の学生とが、環境倫理と環境教育をめぐって学生会議をもったことは、21世紀を担う若者たちにとってきわめて有意義なものであった。
 98年5月には、曹先生、金先生、田先生、中央教育科学研究所の先生たちとともに、日中(中日)環境教育情報交流協会設立の調印式がおこなわれ、数年に1回、日中のシンポジウムをおこなうことになった。
 その5月には、北京大学100周年記念国際会議「環境科学と持続的発展」に招かれて講演をしたり、河北大学で客座教授として話をしたり、さらに10月には北京理工大学および東北大学で環境倫理と環境教育をめぐって講演をおこなった。
 こうして、日中環境教育情報交流協会の設立大会の準備が調い、今日の第一回シンポジウムに至ったのである。
 
2、日中における環境問題
 このような設立に至る3年の間に、オーストラリア、イギリス、タイ、カナダを訪問する機会があり、世界の環境問題の深刻さを知り、改めて日本と中国の関係−歴史的・地理的関係−から両国の協力が大切と感じたのであった。
 とくに、2回目の訪中(1997年)のとき、山西省陽泉市の教育委員会の招きに応じて、日本の環境問題について講演をしたあと、炭鉱のクズ山を市の協力によって見学させて頂いたが、その状態に驚いた。汚染された大気は、ひとり陽泉市のみならず、省をこえて中国全土に、さらに日本も含めて全世界に広がっていくのである。このように地球環境問題は、国境をこえて考え、世界市民として行動しなければ解決しない問題である。
 どこの国でも矛盾を抱えている。いや、人間自身が矛盾を抱えて生きているのである。それが、利害関係の「対立」になるのではなく、人類同士また人類と地球環境が「共生」する状態にまで努力しなければならない。その意味で、まず日本と中国が環境問題の解決のためには協力することは不可欠である。
 
3、21世紀に向けての環境倫理と環境教育
 日本と中国はアジアに位置するだけでなく、「天人合一」や「自然共生」など、儒教・道教・仏教などの思想を共有している。アジアという風土においては、共通する習慣や規範も多いのである。この点が、アジア以外の人々とは考え方や思惟方法が相違するところである。これをベースとした新たな「環境倫理学」の理論が構築されねばならない。
 さらに、共通の枠組みである環境倫理学の原理によって、21世紀の未来に向けて「環境教育学」の具体化が日中双方の共同ではかられねばならない。
 今回の第1回シンポジウムでは、日中環境教育情報交流協会の設立宣言と21世紀に向けての環境倫理と環境教育が論じられることになろう。実り多い成果を期待するものである。

 なお、今回の設立大会と第1回のシンポジウムが北京大学において開催できましたのも、田 徳祥先生と北京大学の先生方の御協力によるものであります。またそれまでの具体的な作業も、金 世柏先生、曹 青陽先生、中央教育科学研究所および組織委員会の先生方の御尽力によります。日本側の代表として、御協力を賜わりましたすべての皆様に心より感謝の気持ちを表したく存じます。


基調講演要旨

基調講演

日本における環境教育の現状

谷口文章(日中環境教育情報交流協会 会長)


略歴:大阪大学大学院博士課程。文学修士(大阪大学)。甲南大学文学部教授。河北大学・北京育達工商学院客座教授(中国)、ラジャバト・プラナコーン王立研究所客員教授(タイ)、ヴィクトリア大学客員教授(カナダ)。日本環境教育学会常任運営委員。日本保健医療行動科学会常任理事。『現代思想のトポロジー』(共著,法律文化社)、『環境とライフスタイル』(共著,有斐閣)、『環境教育指導事典』(共著,国土社)、『現代哲学の潮流』(共編著,ミネルヴァ書房)、『地球規模の環境教育』(共著,ぎょうせい)、『学校ビオトープの展開』(共著, 信山社)、他

1.はじめに
 自然保護運動からはじまった欧米の環境教育とちがって、日本では、公害教育から環境教育ははじまった。日本は1960年代に高度経済成長を経験すると同時に、公害問題も前面に現われるようになったからである。したがって、ここに環境問題を解決する人材を養成する環境教育が必要となった。そしてそれは、国連の「人間環境宣言」(1972年)など、世界の環境教育の展開と呼応するものであった。

2.現代の環境問題
 日本の現代の環境問題を考えてみよう。錯綜する議論をわかりやすくするため環境の概念を、自然環境、社会環境、精神環境と三つに分けてみると、それぞれの環境において環境問題が生じていることが理解できる。

(1)自然環境の破壊
 自然環境破壊の問題は、多くの「環境科学 environmental science」が取り組む課題であり、いうまでもなく、オゾンホール、砂漠化、森林伐採、温暖化、大気・水汚染などが挙げられる。
 しかし、ここでは「環境学 environmental studies」の観点から考える。studiesというように複数になっている点に注意すると、それをまとめるのは生態系をベースとした「環境学」ということになろう。その視野は、自然だけでなく社会や精神の環境も扱う広範な認識論と存在論であることがわかる。
 その意味で、現代の日本でニホンザルの四肢に奇形が多発していることは知っておく必要がある。これは残留農薬による成長ホルモンへの影響であると推測される。

(2)社会環境の破壊
 日本の公害問題は、水俣病などの公害が原点とされており、しかもそれは当時のような激しい形ではなく、慢性化した形で現代でもまだ続いている。
 それに加えて、現在日本で騒がれているのは「内分泌撹乱化学物質EDC(いわゆる環境ホルモン)」である。この化学物質による環境汚染は、日本だけでなく世界的な問題であり、21世紀に向けての環境教育が、エイズによる環境汚染の問題とともに、取り挙げねばならない重要な課題である。


(3)精神環境の破壊
 日本では現在、経済成長がひととおり終わり、成熟社会に入っているといえよう。しかしながら、外なる経済的富を実現したことは、内なる精神的貧困をもたらした。つまり、心の豊かさを犠牲にして、富を獲得したのである。
 こうして獲得した成熟社会において、次のような精神病理の問題が生じている。無気力・無感動の若者の増加、自他関係が成立しない社会的傾向、自閉的な世代の現れ、1億2千万人総神経症時代等々。これは、まさに精神環境の破壊そのものである。

3.21世紀に向けての環境教育の可能性
 このような現代日本の環境問題の解決のためには、それに立ち向かう次世代の育成が重要なこととなる。そのためには、一つには規範理論の確立、二つにはその具体化、三つには国際協力が大切となる。

(1)環境倫理学の確立
 まず規範的な理論的枠組みが、環境認識のための環境学の確立とともに、必要である。アジアすなわち東洋の思想を基盤とする考え、つまり外に経済的幸福を求めるのではなく、内にすでにある幸福に目覚める自覚が不可欠である。この考えを基盤にして、多様な観点や価値を容れ得る「環境倫理学」を構築すべきである。いうまでもなく、それは生態系を基盤とする環境学と呼応する、新しい規範理論である。

(2)環境教育学の確立とその具体化
 環境教育は、自然に親しむことなどの体験的基礎のあと、社会や精神の環境の諸問題に対する具体的対策を取り扱う必要がある。さらに、地球環境問題の解決のためだけでなく、21世紀に向けての「環境創造」もおこなえる若者を育てなければならないであろう。そのためには、環境教育の哲学である「環境教育学」の確立とその具体化が試みられねばならない。

(3)日中の国際的な共同作業
 さらに、日本と中国は思想基盤が類似していることをただ自覚するだけでなく、漢字圏の文化を共有しているのであるから、共通の環境教育の教材も作成できるメリットがある。また、インターネットなどによる教育情報交流もこれからは容易になると思われる。このような環境倫理と環境教育を通じた国際的な共同作業を日中の両国で推進しなければならないであろう。

基調講演

中国における環境教育の現状

曹 青陽
中日環境教育情報交流協会 会長


略歴:1935年11月28日 中国安徴省合肥市生まれ。 1960年北京理工大学化学工程系卒業。現在、中国中央教育科学研究所研究員、北京育達商学院院長、教授。

(プロシーディング参照)



日中環境教育情報交流協会第1回シンポジウム要旨

「現代の環境問題と教育情報交流−21世紀に向けての環境教育の可能性−」

コーディネーター:金 世柏、谷口文章

日本の環境教育の動向

阿部 治(埼玉大学教育学部助教授)


略歴:1955年生まれ。筑波大学大学院環境科学研究科修了。環境教育専攻。現在、日本環境教育学会国際交流委員長、国立環境研究所客員研究員、地球環境戦略研究機関プロジェクトリーダー、環境庁中央環境審議会専門委員、文部省生涯学習審議会専門委員、日本環境教育フォーラム理事、他

1.学校における環境教育
   臨教審答申(1987) 自然体験学習の推進
   教育課程審(1987)  1)新しい学力観  2)体験学習  3)地域との連携  4)学校5日制
             生活科の設置(学習指導要領(1989))
   文部省環境教育指導資料(1991、92、94) →自治体独自の環境教育指針の作成
   生涯学習審答申(1992) (1999)
   環境教育フェア(94〜) 環境教育教員研修(94〜)
   第15期中教審(1996.7) 先行き不透明な時代→「生きる力」の醸成→ 総合学習の時間
   学校での取組(日本児童教育振興財団「小中学校環境教育賞」1992〜)

2.環境行政における環境教育
   公害対策基本法(1967)
   自然環境保全に関する基本方針(1973) 地域環境教育カリキュラム(1987)
   環境教育指針(「みんなで築くよりよい環境を求めて」)(1988)
   地域環境保全基金(1990) 地球環境保全基金(1992)
   環境基本法(1993) 第24, 25 条 ナショナル・アジェンダ 21(1993)←アジェンダ 21(1992)第36項
   環境基本計画(1994) こどもエコクラブ(1995) 自然大好きクラブ(1997)
   地球温暖化対策推進法(1998) 自治体独自の環境学習プラン
   新たな動き 中央省庁によるパートナーシップの前進

3.環境教育(学習)施設の設置
   自然型施設 自然観察の森(1986)、環境ふれあいセンター(清里)
   都市型施設 板橋区エコポリスセンター(1995)名古屋市エコプラザ(1996)環境エネルギー館(1998)
   博物館施設 千葉県、茨城県、神奈川県、兵庫県、滋賀県、群馬県
   情報・支援施設 環境パートナーシッププラザ 、環境サポートセンター

4.ネットワークの形成
   日本環境教育フォーラム 、日本環境教育学会、未来のための教育推進協議会

5.経済界の動き
   経済同友会環境教育提案、企業における環境教育の推進 (ISO14000)

6.その他

甲南大学における環境教育とその一事例

高阪 薫(甲南大学教授)

略歴:1965年東北大学大学院国語学国文学修士課程、シドニー大学、チュラロンコン大学、タマサート大学。現在、甲南大学文学部教授 研究業績:『沖縄祭祀の研究』(翰林書房)『四迷・啄木・藤村の周縁』(和泉書院刊) 専門分野:日本近現代文学、沖縄民俗学 他

 まず第一に、日本の大学における環境教育を、甲南大学の広域副専攻の一つである環境学コースのカリキュラムを紹介することで、このシンポジウムの話題にしよう。環境学コースには(a)自然環境と主体、(b)社会環境とその問題解決、(c)人間環境とその問題解決の三分野があり、総計16科目設置されている。環境のカテゴリーを従来の自然環境だけでなく、社会環境および人間環境の三つに区分したところに、その特徴をもつ。(a)の分野では、「核と環境」、「環境の化学」、「生物と環境」、「大気と海洋」、「環境の医学」がある。また(b)の分野では、「環境の社会学」、「環境倫理学」、「環境法学」、「環境行政」、「都市環境論」、「環境経済学」がある。さらに(c)の分野では、「地理学と環境」、「生態人類学」、「環境人間学」、「環境と文学」、「環境教育の実践」がある。とくに「環境教育の実践」では、フィールド・ワークが重視され、机上の理解だけでなく、フィールドに出て体験知を深めて、地球環境問題の具体的な解決をめざす。
 次に、私の担当する「環境と文学」について紹介しよう。テーマは主として"コメの環境と日本文学"である。
 コメが食物の中心となったのはいつ頃からであろうか。弥生文化をもたらした人が同時に稲作文化を伝播した時からと考えられる。狩猟採集の縄文時代の日本人は、やがて定着農耕をやり、コメ作りに励んだ。その後、7〜8世紀の律令時代に稲は田租として召された。それから農民の苦労が始まった。冷害や旱魃に見舞われ、凶作や飢饉を味わってもコメに執着してきたのは、いったい何だろうか。気候風土にあっていたとか、五穀のなかでコメが一番美味しいとか、栄養価が高いとか、いろいろ理由があろう。とにかく日本人はコメ伝播以来4〜5000年コメ作りに精を出してきた。コメが日本文化の中心といっていい。何故ならコメにまつわる日常のさまざまな農耕儀礼は年中行事に取り入れられ、日本の祭りごと(政事)の中心となってきた。古く『古事記』『日本書紀』などにみられる祭祀儀礼の中心もやはりコメの農耕儀礼である。大嘗祭(新嘗祭)はその典型である。
 それらが、日本人の心の文化を形成してきた。コメにまつわる神話伝承や日本人の信仰・美意識の成立も関係する。そこで、本論では古代日本人の美意識の形成として「万葉集」と「枕草子」を採り上げる。そこにみられる稲作労働を通じて階層間でどのような美的価値観が展開しているかを考察し、その後に影響を与える日本文学の美の伝統について述べてみたい。
 さて現在、かつてコメの力を信じ大切にされた日本のコメが、有機農業の問題で、また自由化問題で国際舞台の政治や経済の場で論ぜられている。日本人はあまりコメを食べなくなって久しい。いま主食の座を奪われかねない日本のコメを黙ってみていていいのだろうか。このあたりを日本の民族、文学、歴史の論理の中で考えていこう。

フィールド・ワークを通じた環境倫理と環境教育
Environmental Ethics and Education through the Experience of Fieldwork

クリストファー・ストーリー
Christopher Storey
(英国England・ランカスター大学Lancaster Univ.大学院、甲南大学総合研究所研究員)


Ph.D. candidate in environmental philosophy at Lancaster University, UK; research student in environmental ethics at Konan University, Japan.

Born: 1958. BA (Honours) in Humanities from Middlesex Polytecnic, London, 1985. MA in Values and the Environment from Lancaster University, UK, 1996. Member of the Japanese Society of Environmental Education and the International Association of Earth-Environment and Global-Citizen. Interested in Goethe's way of science, intellectual and intuitive ways of knowing the world, and the implications for environmental ethics and education.

Published paper: 'All is Leaf: Goethe's Intuitive Intellect and Environmental Philosophy', The Trumpeter: Volume 15, 1998.

It is useful to consider the history of environmental education in the UK over the last 30 years because it has followed a similar pattern to that of many other countries. Initially secondary school (ages 11 to 18) environmental education came under either environmental studies or environmental science. After the Education Reform Act of 1988 the recommendation was that environmental education be embedded into the subject matter of other established subjects, such as geography or science. But in this case environmental education was necessarily taught from the point of view of the associated cognitive aspect. Consequently, teachers felt that the important affective elements of environmental education were neglected.

Chris Gayford of the University of Reading (UK) describes a piece of action research carried out in British schools that offered an alternative approach centered on the affective aspect. The work was project-based and outside the timetabled curriculum. The emphasis was on attitudinal and behavioral change. The students who participated in the projects and fieldwork enhanced their personal empowerment. It was found that this hands-on involvement led the students naturally into consideration and discussion of wider, global, economic and ethical considerations.

The cognitive and affective elements in environmental education can be thought of in terms of intellectual and intuitive ways of knowing the world. Both are necessary. Intellectual knowledge of the world is vital for scientific understanding and utilitarian purposes. But as a product of the intellectual mind, this understanding is necessarily abstracted from the world of our direct experience. This gives us the world of subject and object, separation. The intuitive way of knowing the world is prior to intellectualization and it is bodily. We are not separated from the world; we experience ourselves to be bound up in the world. If this experience is nurtured we become changed as people; we develop an ecological consciousness. This has implications for environmental ethics. Ecological consciousness suggests an attitudes-based ethics that is foundational to orthodox normative ethics. Environmental education must begin from an ethical foundation. Then, from this foundation, students must learn how best to carry out our activities in the world. Thus, students' knowledge of living organisms and systems must be maximized. Fieldwork, affective development, participation and empowerment, rather than being supplementary to environmental education, provide the affective foundation for the necessary cognitive understanding and knowledge of the world.

日米の環境教育行政の比較

荻原 彰(長野県松代高等学校)


略歴:1982年信州大学教育学部卒業、1984年筑波大学大学院教育研究科修了。現在、長野県立高等学校教諭(1997年〜1999年まで上越教育大学に内地留学)。

1 はじめに
 アメリカが国家レベルでの環境教育行政の最先進国の一つであることは広く知られているが、州レベルでも70年代以降、数多くの先進的試みが行われてきている。一方、日本の都道府県レベルでも環境教育の教師用手引きの作成が多くの教育委員会で取り組まれるなど近年の環境教育行政に一定の前進が見られる。両国の環境教育行政を比較することは単に両国の環境教育行政の進展に資するだけではなく、中国などの他の諸国にとっても参考になると考えられる。
 近年のアメリカ各州の環境教育行政の実態調査としてはRusky(1995)やDisiger(1989)の調査があげられる。一方、日本における近年の都道府県レベルの環境教育行政の実態調査は高知大学環境教育研究会(1988)や渡部(1996)により行われている。これらの調査はいずれも環境教育行政の実態を抽出したすぐれた研究であるが、それぞれが独自な調査であるため、日米を比較して各々の国の特徴を抽出したり、日本の環境教育行政がアメリカのそれから学ぶべき点を見出すことは困難である。
 そこで筆者は上述の調査を参考とした調査問題を作成し、日米の都道府県教育委員会と州教育委員会の環境教育行政の同時調査を行い、両国の環境教育行政の比較検討を行った。
2 調査の方法
1998年5月に日本の全都道府県教育委員会の環境教育担当指導主事、アメリカ全州の環境教育調整官を対象として州(都道府県)の行っている環境教育に関わる施策および州(都道府県)教育委員会と他の行政機関・団体との協力関係の実態、各州(都道府県)における環境教育行政の問題点を調査した。日本が38道府県(回収率80.1%)、アメリカが34州(回収率68.0%)である。
3 調査の結果
 ここでは紙面の都合で、調査結果の中から特に興味深いと思われる点に絞って述べる。
(1)指導手引きの作成や中等教育における環境教育を主たる目的とした科目の設置など教育内容に関する施策および教師教育において日本はアメリカを上回る実施率を示している。アメリカは環境教育行政の先進国とみなされているが、日本も項目によってはアメリカを上回るほどに施策の実施率が上がってきている。ただし、これは平均的な水準であって、アメリカの場合、州による格差がきわめて大きいことに留意する必要がある。
(2)アメリカにおいては環境教育行政を進める上で、教育委員会と他機関・団体との関係が日本に比して深く、とりわけ教師教育の実施に際して州政府の他の部局および大学から高い率で援助を受けている。
(3)日米双方で実施率がきわめて高い施策でありながら、問題が多いと考えられているものが、教師教育である。これは教師教育が重要でありながらも困難な課題であり、いわば環境教育の成功を左右する要であることを示唆しているものと考えられる。
4 今後の課題
 今回の調査で日米の環境教育行政の全体的傾向は把握できたと思われる。今後は日米ともに問題が多いと考えられている教師教育について、よりいっそうの精査が必要になってこよう。

中国側 シンポジスト:プロフィールと題目


田 徳祥(北京大学教授・放射線)
  「大学における環境教育」
賈 峰(中国環境保護局宣伝センター副主任)
  「環境保全における広報教育の位置と効果」
小礼(北京大学教授・哲学)
  「環境教育と環境倫理」
王 宗敏(天津市教育科学院院長・教育学)
  「人間と自然の関係についての教育―天津市の環境教育―」
胡 敏(北京大学環境科学センター主任・環境学博士)
  「北京大学環境科学センターの設立後の研究成果について」


日中環境教育情報交流協会 研究発表要旨

A分科会 座長:王 宗敏、谷口文章
B分科会 座長:曹 青陽、阿部 治
C分科会 座長:田 徳祥、荻原 彰

[A分科会]

環境教育と情報

渡辺隆俊(甲南大学情報教育研究センター専任講師)


略歴:1994年 豊橋技術科学大学大学院工学研究科修士課程知識情報工学専攻修了
   1998年 帝塚山大学大学院経済学研究科博士後期課程経済学専攻中途退学
(専攻)知識情報工学、経済学
(論文)「経常収支に関する計量経済的研究:小宮−赤羽根論争をめぐって」帝塚山大学経済学部ディスカッションペーパー, No.J121, June, 1998

報告要旨:

 我が国における環境問題は、かつては「公害」としてとりあげられてきた。その典型的な例として「水俣病」、「イタイイタイ病」、「四日市ぜんそく」がとりあげられ、公害が(生身の人間としての)人体への影響のみならず、企業活動の在り方、広くは社会経済システムの在り方に関する問題であることが指摘されつづけている。
 しかし、今日の環境問題は、公害という「企業活動によって地域住民のこうむる環境災害」という認識から、「地球温暖化」や(国境を越えた)「酸性雨」をはじめ、地球規模の問題というようにその認識が大きく変化してきている。つまり環境問題は、ある特定地域固有の問題にとどまらず、地球規模の問題へと、より広範囲かつ複雑な問題となってきているのである。
 このような環境問題に関する社会通念上の認識の変化は、当然のことながら教育、とりわけ環境教育の在り方にも変化をもたらしている。そこで本報告の第一のトピックとして、近年の我が国における環境教育の取り組みについてとりあげ、文部省および環境庁における環境教育の現状について示し、かつての公害教育が環境教育へと変化していることを述べる。加えて、ここでは各教育機関での具体例も示す。
 また、環境問題の認識の変化は、環境に関する情報についても変化を求めている。先に述べたように環境問題が広域化・複雑化しているなかで、情報の「発信」、「受信」、そして「共有」という伝達の在り方にも変化が生じ、またこのような変化が環境問題の理解や問題解決に貢献するものと思われる。本報告の第二のトピックとして、情報ネットワークをとりあげ、特に昨今普及が著しいインターネット上の情報について考察する。

環境教育の可能性−教育心理学の観点より−

鎌田靖子(大阪大学大学院生・大阪回生病院講師)


略歴:1974年4月7日生まれ、甲南大学文学部卒業。大阪大学大学院人間科学研究科で教育心理学を専攻。1998年国際シンポジウムにおいて「環境倫理と環境教育」を発表

1.子どもをとりまく環境
 高度経済成長を終えた日本は今、成熟社会を迎えている。そして、文明国と呼ばれるアメリカなどに共通の問題が日本でも生じている。
 成熟社会における子どもの環境の特徴として、次の三つが考えられる。第一に子どもの数の減少、すなわち「少子化」、第二に社会全体の学歴偏重による「受験競争の激化」、第三にコンピュータやマス・メディアの普及により「情報の過剰」の三つである。
 まず、少子化と受験競争の激化により、親は子どもを甘やかし、過干渉に世話をする。それを避けようと、今日では冷暖房などが設備された「自分だけの部屋」に子どもは閉じこもる。こうした他者から切り離された環境に加えて、テレビ・テレビゲーム・コンピュータなどの情報過剰で非日常的な空間に生きることになる。このように子どもの環境は、心身ともに外部とのつながりが薄れたものとなる。
2.子どもの起こす問題−教育心理学の観点より−
成熟社会において子どもたちは、他者から孤立している。また、人工的な生活スタイルが自然や他の生命からも分離する。そして、子どもの性格は自閉的・自己中心的になり、また、生きる実感を喪失する傾向をもつようになる。その結果、現在さまざまな問題が起こりはじめている。
 たとえば、家庭においては、親との接触を回避し、自分の部屋で食事をとる「孤食」の子どもがいる。また、学校教育現場では、教師、友人との人間関係のトラブルが原因で学級崩壊、いじめ、登校拒否などが問題となる。さらに、何かに「ムカつき」、突然「キレる」現象、自殺、殺人など若年の子どもの引き起こす重大な事件は後を絶たない。
3.環境教育の可能性
 環境教育は一般に、地球規模の自然破壊を防ぐために、環境保全の意識を高めようと学校教育現場などで実施される。現在、環境教育という一教科ではなく、多様な教科の中でクロスカリキュラム的に扱われている。しかしながら、環境教育の原理、すなわち「環境教育学」の確立が未だ不十分であり、その教育方法が明確でない。このため、環境教育に興味をもった教師だけにその実施が任せられるのが現状である。
 ところで、環境教育は環境保全の教育的意義だけでなく、子どもをとりまく不健全な環境を回復する「心の教育」の可能性をもつ。というのも環境教育は、身体を用いた活動「体験学習」と、その体験を通じて獲得する知恵「身体知」を重視するからである。そして、これらは、成熟社会において衰退した身体機能を活発にし、また、五感を統合する体性感覚をも覚醒する。ひるがえって、体験学習は、子どもの自信と自立心を育むであろうし、さらに身体知は、一人の人間として環境保全に自律的に参加する姿勢へとつながる。
 このような意味において、心の教育としての環境教育を通じ、個人レベルでの人格性が深められると同時に、地球レベルへとその関係性が拡張される。
 現在、成熟社会をめざし経済成長をおこなっている中国も、近い将来、日本と同様の問題を抱えるであろう。一方で、アジアの環境保全のために、他方で、未来を担う子どもたちの心の環境の回復のために、環境教育を通じた両国の協力が不可欠である。

21世紀の環境教育に向けての新しい考え方について

金世柏(中央教育科学研究所)


始めに国際協力の事例から

 1995年以来、環境教育に力を注ぐ中日両国の学者たちは年に一回、環境教育のシンポジウムを行い、共通に関心をもつ環境保護及び環境問題について情報と意見を交換しあうことにしている。わたしはこのシンポジウムに毎回参加し、その学者たちとの交流によって、環境問題に国境が無いという事を深く感じた。中日両国共、それぞれが抱えている環境問題のうち、共通している問題は沢山ある。したがって、私たちで協力しあい、問題解決の糸口を探すべきである。
中国に比べて日本は比較的早く環境問題に取り組んでいるので、私たちが参考にすべきより多くの意見と教訓を持っている。今までも日本の友人たちからの、指導と協力があり、その熱心さに感じ入っている。ここで一つ例を挙げると、「第一次中日共同環境教育シンポジウム」後、中国側の要請により日本環境教育学会会員である森良氏・西田氏・田中氏(他数名)が毎年定期的に来華(中国)され、北京市西城区にある複数の小中学校の教員への環境教育に関する講習会を行って頂いた。又、講習会以外に、講習会に対しての環境教育のありかたについて指導された。私はこの活動に一度参加したことが有り、暑い最中でも熱心に指導される姿勢に深く感銘を覚えた。この様な講習会は今までに三回行われ、参加した教員は200人に達し、「大変勉強になりました」との評判である。現在、四回目の講習会が行われているが、以前は主に西城区の教員を対象にし行われていたのが、現在では朝陽区まで拡大している。この様な意義ある民間レベルでの活動こそ、すでに中日両国における環境保護及び環境教育問題に対しての協力の証しである。
 特にここで言っておきたい事は、講師の皆様が来華され講習会を行う費用などは全て、講師の皆様が負担されている事である。中日環境教育における、この無私及び奉仕の精神は尊敬されるべきものである。
 尚、甲南大学の谷口文章教授は、幾度も国費や公費で来華され、北京大学を始め山西・河北・東北などの大学で環境教育及び環境倫理をテーマに講演され、各地で評価を得ている。
 谷口教授の提案と積極的な活動が、本日ここで「中日環境教育情報交流協会」を発足させるきっかけとなった。これは私たちの活動が新しい段階を迎えた証しである。これにより私たちの視野が広がり、又、活動が活発になる事を信じている。今後、私たちは環境教育について情報の交換を行い、お互いの友情と理解を深める事によって環境保護及び環境教育において共同発展する事を期待したい。

環境悪化の原因は何か?

 21世紀を迎えるにあたって、現在、世界中の人々が、地球環境の日々の悪化が人類の存在自体の脅威になる事を憂慮している。
 我が中国の環境問題も相当深刻であり、そのいくつかの例をここに上げてみる。まず、現在中国の人口は12億で、2030年には16億に達すると予測されている。これは深刻な問題である。天然資源の利用が急ピッチで進んだ為、森林と農業用地などが次々と破壊されて行き、生態環境が日々悪化している。全国600以上の都市において空気の検査をしたところ、国の一級基準に達しているのは1%(6都市)にも満たず、空気中の有害物質の総量の平均値は国際基準値の10倍以上にも及んでいる事が判明した。世界の空気汚染の進む10都市のうち、7都市を中国が占めているのである。我が国の荒廃地は国土面積の27.3%をも占め、500以上の主な河川及び湖の82%が汚染されている。母なる河と呼ばれる黄河の下流では、一年の内200日以上は断流している。国家環境保護局の資料によれば、環境汚染による毎年の損失は、国民総生産の8%程度に達しているのである。
 100年前と比べて中国の人口は3倍に膨らみ、エネルギーの消費量は10倍に達し、農業用地は6分の5に減ってしまった。つまり、毎年、「オーストリアの総人口と同じだけ中国の人口が増え、約3万ヘクタールの土地が荒廃地と化している」というスピードで"発展"しているのである。人口・資源・環境が、この様なアンバランスな状態において、我々の発展をどこまで続けられるのか、私たち一人一人が冷静に考えなくてはならない。 1970年代以来、我が政府はこの環境問題の重大さを意識する様になってきた。環境保護は、基本的な国策となっている。大量な資金を投入し、政策・経済・科学技術など他方面から取り組んだ結果、相当な成績を上げている。しかし、今のままでは環境悪化を根本的に防いだとは言えない。環境保護と環境悪化が同時進行しているのが現状である。
ここで一つの例を上げると、北京市は2年に亙り、何十億元を投資して市内の治水プロジェクトを行った。結果としては、かなりの成績を収めたが、水の浄化スピードより、汚染スピードの方が早く、北京市の職員300名が市内の河川から、ゴミを拾い出しているが、このゴミの総重量は一年足らずで十何万トンにも達した。どの様な資金を投資して治水プロジェクトに力を注いでも、市民の意識の改革がなされていない為、河川へのゴミの投棄が治まらず、水流の汚染状況の改善が見られない。治水プロジェクトを行うよりも、市民の意識を変える事の方が先決ではあるが、これは、治水プロジェクトよりも、遥かに難しい。個人の生活・教育環境によるモラルや道徳の違いが市民の意識改革を難しいものにしているのである。首都の北京市でさえこの状態であるのに、地方では尚更劣悪な状況であると予想される。
 今年6月16日、国家環境保護総局及び国家教育部が共にアンケート調査をした結果を発表した。このアンケートは全国公衆環境意識調査報告と名付けられ、全国31地区1万495団体を対象に、調査は98年7月から10月の間に行われた。これは我が国において、最も広範囲に及ぶ全国規模の公衆環境意識調査となった。調査の結果から、我が国の公衆の環境意識は政府依頼型が大多数となっている事が判明した。個人の責任においての環境保護の意識が欠けているのである。個人の問題と捉えておらず、又個人で何ができるのかが分からないと言う意見が多かった。
 調査の結果として、もう一つ分かった事がある。教育レベルと、環境教育を受けたかどうかと言う事が環境意識の差として現れている。やはり教育レベルの高い人や、環境教育を受けた人には、環境問題は個人の責任であると言う意識を持った人が多い。中国政府は環境保護に重大な関心をよせている為、毎年国民総生産の1.2%も環境保護にあてている。だが法律による規制等、政府の対応だけでは根本的な問題解決にはなりえないであろう。根本的に問題を解決するには、人々の環境保護への意識向上と人々のモラルや道徳を向上させるにはそういった教育が必要である。環境汚染の原因は他方面に渡って考えられるが、最も重大な要素なのである。これは先の北京市の事例やアンケート調査の結果により明白である。

ポイントは視野を広げ、古い考えを変えること

 環境は自然環境と、社会環境と、精神環境と3つの範疇に分類することができると、日本の学者谷口先生は次のように述べられている。前者二つは外部的なものであり、最後の一つは内部的なものである。外的な環境問題を解決するには、外部の社会的、物質的なものあるいは技術面から糸口を見つけるよりも、人間の内部の精神面つまり道徳、倫理面を重視すべきである。言い換えれば、環境面の汚染と精神面の汚染の両方から手を打たなければならない。環境をきれいにするにはまず、心をきれいにしなければならない。
 この考えが私にヒントを与えてくれた。環境教育においては、環境を一つの不可分のものとして見なし、人と自然、社会と技術との関係を考えなければならない。即ち、環境問題は人類文明の問題でもあり、環境教育は人類文明に対する反省の教育でもある。そしてこれは生涯にわたる学習であろう。21世紀を迎えるには、このような新しい考え方で、広い視野から環境問題を考えなければならない。
 第一に、環境教育の中核理念は人々の自然に対する従来の考えを変化させ、新しい環境倫理と価値観を樹立し、人と自然との新しい関係を築くことである。長い人類の歴史の中に「人間中心主義」つまり、「人間が全てを支配する」といった考えに支配され、人が自然を征服し改造する事ばかりが強調されてきた。人類は自らの生存空間と利益のため、自然に対して略奪をできる対象とする行為はもはや許されなくなった。地球は一つしかない。ここは人類と大自然との共同の家である。人類と自然は平等であり、お互いは地球村の一員である。又、お互いは運命を共にしている。だから自然を尊重し、保全し、そして愛する。人間と自然との「共生」「共存」という新しい概念を確立しなければならない。この最も基本的な理念を人々に伝えることが環境教育の使命である。
 第二に、人間と自然との協調的な発展という価値観を確立し、これを人々の日常に浸透させることが環境教育の最終目的である。そのために、古い考えとか生活習慣を変えなければならない。その一、資源を大事にし、物欲を抑制すること。その二、健康的な生活習慣をつけ、享楽主義や消費至上などの物質主義的なものを排除すること。
 第三に、自己中心、利己主義的な人生態度を捨て、人々に思いやり、そして社会またはすべての生物に慈愛の心を持つといった人生態度を確立する。
 第四に、過去の人類と自然との関係の歴史において、人間の権利を強調してきたのに対して果たすべき義務を無視する傾向があった。このような権利と義務とのアンバランスは人と自然との協調関係が破壊される原因の一つである。人間と自然との共生の新しい時代に応えるため、新しい社会倫理観と環境倫理観を確立し、そして非人間中心主義の生態倫理観を作り上げなければならない。この倫理観によって、人間の活動は人と自然との生物共同体の行動規則を守らなければならない。

日中環境教育情報交流についての考え

 環境保全に有益で、かつ持続的に発展できる新しい世界をつくるために、グローバルな協力関係は不可欠である。地球の生物の多様性を守るためには、一つの国家だけでは力不足であり、又、地球環境の日々悪化する傾向をもくい止められないであろう。
 第一に、日中両国は地理的に極めて近いため、多くの環境問題が共通している。両国は環境問題においての関係は切っても切れないと言える。近年、両国はこの面での協力関係が構築され始めている。今、『中日環境教育交流協会』の設立をきっかけとして、両国の協力関係は新しい段階に突入している。お互いに信頼し、尊重し合う気持ちをもって、真実を重視して問題に臨めば、一層いい関係が築き上げれるであろう。
 第二に、21世紀は高度なグローバル化と情報化の時代であるため、この協会は両国の情報交換においての活動を重視し、参加と協力を強調すべきである。また、協会は情報公開を謳い、日中双方お互いに情報と技術を共有し、考えを交流し合い、また、それを行動に移す努力をするために、双方のサービスを提供することに目をむけるべきである。
 第三に、交流において、共通性のあるものと地域的、国的特殊性のあるものを十分に考えなければならない。お互いに相手国の環境教育の歴史と現状、環境教育においての文化伝統、科学的、哲学的の認知過程また環境教育の施工方式や経験と現実問題などを理解するにのに有利であろう。
 第四に、情報交換がより早くなされるために、協会は刊行物を発行し、または連絡網を作るべきである。
 第五に、会員たちに多くの交流機会を与えるために、協会はできるだけ多くの活動を展開すべきである。例えば検討会や、研修会などがとてもいい形だと思う。先ほどに述べた森良先生の講習会は、『参加型体験学習法』という日本の成功例を中国に紹介し、環境保全の知識の普及に大変効果的で、歓迎されている。このような機会がより多く与えられることを期待している。

[B分科会]

自然文化誌と環境教育

本庄 眞(奈良県香芝市立真美ケ丘東小学校教諭)


略歴:名古屋大学農学部林学科卒業 現在、真美ヶ丘東小学校教諭。奥吉野自然研究会および奈良県環境教育研究会を主宰、日本環境教育学会関西支部世話人。吉野大峰などをフィールドにして自然の研究を続ける。また、「自然と人」をテーマに東南アジア各地に調査旅行にでかける。

環境教育とは何だろう。次のように考えたらすっきりするのではないかと、最近考えている。
  環境教育とは、ヒトという種の生存に関わる教育である。
  環境教育は、文明や文化のありかたを問い直す教育である。
  環境教育は、生き方を問い直す教育である。
このように見たとき、科学による近代化・文明化によって失われた精神文化や思想、先人の知恵を今一度冷静にふりかってみることは重要なことではないだろうか。
 このような視点にたって、歴史的時間軸を入れて、自然科学・人文科学・社会科学など既存の専門分野を越えた総合的なアプローチを試みてみたいと考えた。このような自然文化誌(「自然と人間の関わりにおいて作り出された様々な現象」と定義する)の研究方向や研究方法は、「総合的な学習」の時間を環境教育として進めるための学問的基礎づけにもなろう。現在の暮らしの在り方や生き方を考えさせる身近な地域の教材として利用すれば、環境教育として最も課題とされる「行動化」を促す教材として有効であろう。「昔はよかった」という懐古趣味ではなく、次の時代を創造するルネッサンス的な作業と、とらえている。環境教育が、実際の「まち作り」とつながっていくためには、このような基礎的な研究が今こそ求められている。
 そのような視点に立ち、明日香という1300年を越える歴史のある地域で、「自然と人間がどう関わってきたのか。」「自然と人間のつながりが、どのような社会的要因で、どのように変質して来たのか。」きちんとした事実を探り、分析していこうと考えた。当面は、水田の動植物と農事歴・農具の関係について、聞き取りと実態調査を加味しながら考察をしてみる予定である。
環境教育は、そこの地域の特性を考えて行うべきだと考える。環境教育が、全国どこでも同じような実践になったらおかしい。大気汚染、ダイオキシン、エネルギーといった緊急課題に対する応急処置的な環境教育も当然必要であろうが、それと同時平行しながら、奈良なら奈良で、歴史や民俗といった、そこの地域でしかできない環境教育も模索すべきではないかと考える。生活科が登場して以来、実のある実践もあったであろうが、果たして、どのくらいそこの地域の特性が生かされた実践が行われたのだろうか。
1998年5月、明日香の地で第9回日本環境教育学会大会のプレイベントとして、「明日香から21世紀を展望する」というテーマでフィールドワークショップを企画実施した(全国から及び地元明日香村稲淵の人を含め、参加者約100名)。明日香のおじいちゃん、おばちゃんの知恵に学ぶ環境教育が確かにあることを実感した。

実践的環境教育による21世紀のエンジニアの育成
−変化を求められる日本の工業高校−

飯尾美行(静岡県立浜松城北工業高校教諭)


略歴:静岡県立浜松北工業高校教諭、環境クラブ顧問 1990年から環境教育活動に取り組む。1995年に環境クラブ(現在部員34名)を創設し、「自然と心をテーマ」にボランティア活動を通して環境問題を考えるエンジニアの育成に努める。日本環境教育学会会員、日本学校教育相談学会会員 環境庁認定 環境カウンセラー

キーワード:教育目的・環境技術・人間性・ボランティア活動・環境クラブ・生涯教育・リーダー育成

1.はじめに

 日本をはじめとする先進工業国は、有限な資源・エネルギーを大量に消費する中で豊かに快適な生活を享受している。その一方で、地球的規模での環境問題という私たちの生存権にかかわる処理問題等が、地球の温暖化・酸性雨・オゾン層の破壊・化学物質汚染といった様々な問題を引き起こし、世界的な拡がりをもって益々深刻化している。
 こうした中にあって、科学・技術に対する評価や教育のあり方が問われ、工業高校でも今、大きく変化が求められている。本校では、教育目標のひとつに「生徒一人一人が地球にやさしい
21世紀のエンジニア」を掲げ、9年前より「ものづくりを通した特色ある環境教育活動」に取り組んでいる。特に、「環境に配慮した技術への導入」及び「環境クラブによるリーダーの育成」のあり方については、ものづくりとボランティア活動を中心とした実践的環境教育を通して積極的に取り組んできている。

「工業目標」(文部省新教育課程):工業の各分野に・・・・・・環境に配慮しつつ、工業技術の諸問題を主体的、合理的に解決し、社会の発展を図る創造的な能力と実践的な態度を育てる。

2.教育目標

3.具体的活動

 

全校での環境教育活動

 

リーダー育成プログラム

全校的取り組み

1.ボランティア活動
2.自然保護運動
3.リサイクル活動
4.地球にやさしいものづくり活動
  (省エネ・クリーンエネルギー)
5.学習活動
6.調査研究活動
7.広報活動(講演会・展示会等)

環境クラブ

1.野外活動プログラム
2.ビデオ学習プログラム
3.資料学習プログラム
4.体験談プログラム
5.エコ・ツアープログラム
6.ものづくりプログラム
7.チャレンジプログラム
  (夢・体験・ボランティア)

4.まとめ

 私は、「人は、自然とどのような関係になっているのか。」「人は自然から何を学び、何をしたらいいのか。」というきわめて素朴な疑問に対して、エンジニアであるからこそ自然を通して学習した基本的かつ体験的な答え(態度・姿勢)が求められていると考える。
 「環境問題は、世界が最も注目している問題であり、
21世紀の最重要課題である。」こうした中にあって、日本の環境保全に対する高い技術は、世界から大きな期待が寄せられている。今後、省エネルギーやリサイクルに心掛け太陽エネルギー等のクリーンなエネルギーを積極的に利用できる。“地球にやさしいエンジニア”の育成が、工業教育の大切な使命になっていくと考える。


[C分科会]

経験から学ぶ
−成人教育としての環境教育へ向けて−

大島英樹(立正大学文学部非常勤)


略歴:1999年3月、東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。4月より立正大学で非常勤講師。

キーワード:経験、Informal Learning、Incidental Learning、事例
1.経験から学ぶとは
 環境教育の目標のひとつとして「日本の公害の経験から学ぶ」ことを挙げることができる。また、活動や運動がそれ自体は思い通りに進まなかったとしても「いい経験をした」ということがある。それに対して、やや批判的に「経験主義」が語られる場合もある。
 本報告では、これらの<経験>の諸側面について探究し、環境学習論あるいは学習論一般において<経験>に注目すべき理由を明らかにする。
 以下では個人の学習過程と他者との関係がある場合とを、いったん区別して考察することにしたい。

2.個人の経験
 経験は、語られてはじめて<経験>となる。個人のうちにとどまっているさまざまな感情の起伏や認知はむしろ<体験>と呼んで区別すべきものである。その<体験>が他者に向けて語られるべく本人によって解釈し直されるプロセスに注目する。
 ここではInformal Learning(非定型な学習)あるいはIncidental Learning(副次的な学習)という概念を援用する。それによって個人の学習プロセスに埋没している多くの意味を発見できるような研究のありかたが見いだされる可能性がある。

3.他者の経験
 わたしたちは日常的に他者の<経験>を、自分の行動についての参考事例として利用している。ここでは、事例として現れてくる他者の経験からその当人を含めて相互的にあるいは集団的に学ぶことの意義を明らかにする。

4.豊かな意味の世界へ
 以上の考察からは、わたしたちがことさら新しい学習の方法論を用いずともまだまだ多くの意味をこれまでの学習のプロセスからも見いだせるはずであることがわかる。
 そして、このような行為が批判的(あるいは反省的)な学習プロセスの中心になければならない。その場合の知識とは外側から与えられるものではなく、内発的な必要にもとづいて獲得されるものである。

環境教育における地域での連携

古屋 善啓(鎌倉市企画部環境自治体課)


略歴:上智大学理工学部科学科卒。現在、鎌倉市企画部環境自治体課環境保全担当、担当係長。主な資格等:公害防止管理者、衛生工学衛生管理者、自然観察指導員、環境庁登録環境カウンセラー(市民部門、事業者部門)、環境ISO審査員補。

 1 環境面から見た鎌倉市の特長
   豊かな自然を持つ
   環境への高い意識を持つ市民が多い
   世界への発信地となりうる
 2 鎌倉市における環境政策のフレーム
(1) 第3次総合計画の基本理念
環境自治体の創造を目指している
(2) 環境政策のフレーム
   鎌倉市環境基本条例の制定
   鎌倉市環境基本計画の策定
   鎌倉市環境保全行動指針の策定
(3) 環境基本計画における環境教育のステップ
 (4) 鎌倉市のサポート体制
   鎌倉市環境保全団体活動促進助成要綱の制定
  対象団体 現在23団体が環境保全団体として登録
   サポートの内容
   講師派遣助成、通信助成、市の広報紙へ事業を掲載
 3 実践事例
(1) 鎌倉市酸性雨調査(行政と学校の連携)
   市内の全小中学校が参加
    体験を重視した環境教育
 (2) ふれあい環境教室(市民団体と企業及び行政の連携)
    廃ガラス工芸や自然観察を実施
   人員・運営は市民団体、器材等は地元企業、広報・活動場所は市役所

中国側 発表者:プロフィールと題目


沈 健(環境科学出版社編集部長、助教授・環境保護)
「中国における環境教育のあゆみ」
浩光(国家中央教育科学研究所教授・教育情報)
「環境教育と情報」
金 世柏(中国中央教育科学研究所名誉教授・比較教育学)
「21世紀の環境教育に向けての新しい考え方について」
周 又紅(北京市西城区青少年科学館高級教師・環境化学)
「環境保全における青少年の役割」
郭 徳海(河南省鶴壁市中心小学校校長)
「我が学校と地域で遂行する環境教育」
張 蘭生(北京師範大学教授)
「中国小学校における環境教育」
紅蓮(北京大学修士)
「環境保護における学生団体の役割」
毛 小 (北京大学講師・環境保護修士)
「環境教育と経済の持続的発展」
楊 愛民(北京大学学生部講師・環境保護修士)
「女性の立場から見る環境倫理」




資  料


日中環境教育情報交流協会設立協議書


 日本「地球環境と世界市民」国際協会と中国環境教育研究会が共同で日中環境教育情報交流協会を設立し、双方の友好的な討議によって以下の協議を達成した。

一.主旨


 本交流協会は、日中両国および他の国と地域における環境教育の情報交換を主な目的とする。さらに本協会は、日中両国における環境教育のレベルを高め、人類の持続可能な発展という目標を達成し、両国の教育分野における友好的交流を推進することに貢献するために設立された。

二.原則


1. 双方の協力事項は、互いに自発的に行ない、双方が同等な利益を受けると同時に、完全に平等な原則のもとに行なわれなければならない。
2. 協力事項は、日中両国の法律、法規、および国際法令に準じる。
3. 協議を実行する過程において新たな問題・異議が出た場合は、双方の責任者によってそれらを友好的に解決すること。

 三.課題


 本交流協会の主な任務は以下の通りである。
1. 環境教育の情報を全面的に交換する。
2. 環境教育を課題とする研究を行なう。
3. 多方面(領域)にわたる環境教育の研究を行なう。
4. 定期的に中国と日本で環境教育に関する報告書を発表する。
5. 環境教育に関する教材および出版物を相互に編集する。
6. 環境教育を専門的に扱う人材の研修(夏の合宿を含む)を相互に行なう。
7. 双方の専門家による視察と学術交流を行なう。

四.機構


 本交流協会は環境教育の情報交換を基本的な業務とする民間の学術団体である。中国側環境教育情報交流協会(中国環境教育情報研究工作委員会)は、中国教育情報研究会に属する学術交流団体である。日中環境教育情報交流協会は、日本側「地球環境と世界市民」国際協会と協力して設立された協会である。日中両国の環境教育情報交流協会は、独自に活動し、業務に関しては互いに協力し連絡し合わなければならないが、互いに内部業務に対しては一切干渉してはならない。


『地球環境と世界市民』国際協会(IAEG)設立趣意書


<協会設立の趣旨>


  地球環境の問題が切実なものとなっているにもかかわらず、問題解決のための実践的な活動は活発ではない。一方で未来を担う現代人は利己的な傾向がみられ、他方でそれぞれの専門家は自分の専門分野に固執した研究や活動が多いのが現状である。しかし、地球環境問題は、一刻をあらそう事態になりつつあり、これらの問題解決のためには理論と実践および国際的情報を重視した、広い視野からの取り組みが必要である。私たちはまさに「世界市民」の立場から、これらの問題を広く深く考えなければならないといえるだろう。

 

<協会の目的>


  本協会の目的は、“地球環境”を「自然と生命の環境」、「社会と文化の環境」、「精神と心の環境」という三つの研究会に分けこれを横軸とし、さらに、「環境倫理(理論)」、「環境教育(実践)」、「環境情報(国際情報)」という三つの部会を縦軸として織り込みながら、地球環境の問題の解決にアプローチすることである。国家の単位を越えて、一人一人が地球人としての“世界市民”であることを自覚し、地球環境の状況についての理解を深め、各人の可能な範囲での取り組みを促進をすることを目的とする。

 

<研究会と部会>


 三つの部会を横軸に、三つの部門を縦軸にしてそれらを織り込んでいく。

 

a.理論部会

b.実践部会

c.情報部会

1.「自然と生命の環境」研究会

 ●生態系と生命の尊重

自然的現象と本質

生命的現象と本質

環境倫理

 

現象と本質及び各環境をシステム論的に追求した環境倫理

自然学習

自然保護

生態観察

野外教育

環境教育

 

持続可能な社会の実現と心豊かな世界市民を育てる環境教育

国際ネットワーク

 

日本・中国・タイ・韓国・カナダ・イギリス・オーストラリア 他

 

地域ネットワーク

 

兵庫・大阪・京都・奈良・滋賀・三重・和歌山・東京・九州・北海道 他

環境情報

 

ホームページの開設及び協会誌、ニュースレターの発行による情報の発信・交流

 

2.「社会と文化の環境」研究会

 ●人間関係と固有文化

 

社会的現象と本質

文化的現象と本質
地域活動

生涯学習

環境監査

3.「精神と 心 の環境」研究会

 ●自己実現、倫理観の育成

精神的現象と本質心的現象と本質 カウンセリング

自律訓練法

箱庭療法

宗教

<事業>

 協会は、自ら考え行動する“世界市民”の意識の向上に努め、“地球環境”を改善するために必要な研究活動や実践活動を支援する。そのために全国大会・国際シンポジウムを開催し、ホームページを開設し、協会誌・ニュースレターを発行する。

 

<キーターム>

環境アセスメント、環境監査、環境カウンセリング、環境ISO、環境マネージメント、システム論、バイオエシックス、野外活動、フィールド活動、里山・自然保全活動、ビオトープ、田植え、生態調査、水生生物の調査、奇形ザル・パンダ・渡り鳥などの調査、自然教育、学校教育、社会教育、生涯教育、資源配分の公正性、世代間倫理、医療環境、食品問題、食と農、公害、市民活動、NGO、NPO、ランド・スケープ、サウンド・スケープ、生命倫理、自己組織性、複雑系、成熟社会、民族と国家、先住民、文明と文化、伝統文化、経済活動、公開講座、心身論、エコ・サイコロジー、人生観と世界観、魂の安らぎと癒し、世代間倫理、宗教、シンポジウム、ワークショップ、国際会議、インターネット、国際交流、平和と共生、など。

 

<会員と年会費>


○会員は、運営委員会で承認された者とする。

○会員は一定の年会費を負担し、会費には協会誌代、通信費等が含まれる。


「地球環境と世界市民」国際協会 役員名簿

日中環境教育情報交流協会 役員名簿

   

氏    名

所      属

会 長

  谷口文章 (甲南大学 文学部教授)
       

副会長

  Preang Kitratporn (タイ・ラジャバット王立大学学長)
    Paul West (カナダ・ヴィクトリア大学環境学部長)
    曹 青陽 (中国・中日環境教育情報交流協会会長)
       

顧 問

  中西典彦 (甲南大学 前理事長・学長)
    鈴木善次 (大阪教育大学名誉教授)
    金 世柏 Jin Shibai (中国・国家教育研究所名誉学術委員)
    田 徳祥 Tian Dexiang (中国・北京大学教授)
    筆 浩光 (中国・中央教科所教授)
    賈 峰 (中国・環境保護局宣教育センター副主任)
    王 宗敏 (中国・天津教育科学院院長)
    周 又紅 (中国・『自然之友』会員高級教師)
    李 時載 See-Jae Lee (韓国・キリスト教大学教授)
    Alan Drengson (カナダ・ヴィクトリア大学名誉教授)
    Richard Smith (オーストラリア・“環境教育誌”編集長)
    Laddawan Kanhasuwan (タイ・ラジャバット王立大学 元環境教育センター元所長)
    Nancy J. Turner (カナダ・ヴィクトリア大学教授)
    Gloria Snivery (カナダ・ヴィクトリア大学教育学部長)
    Prapa Nalabol (タイ・ラジャバット王立大学 元環境教育センター所長)
    Siriwat Soondarotok (タイ・ラジャバット王立大学 環境教育センター副所長)
    Chintana Soondarotok (タイ・ラジャバット王立大学経営学部講師)
    Jurailagsna Mushira (タイ・ラジャバット王立大学助教授)
    Wilhelm Vosse (慶応大学講師)
    Thomas Heyd (カナダ・ヴィクトリア大学助教授)
       
       

理 事

     
    谷 荘吉 (小松病院 院長)
    今井 佐金吾 (神戸市環境保健研究所部長)
    久武 哲也 (甲南大学 文学部教授)
    中丸 寛信 (甲南大学 経営学部教授)
    村上 温夫 (甲南大学 理学部教授)
    榎本博明 (大阪大学 助教授)
    赤尾 整志 (グローバル環境文化研究所代表)
    川嶋宗継 (滋賀大学 教授)
    戸田耿介 (兵庫県立人と自然の博物館)
    アンナ・フォード Anna Ford (カナダ・甲南大学助教授)
       

運営委員

     
    福島 古 (GEC)
    藤川 隆一郎 (神戸市役所)
    菊池 秦博 (兵庫県庁)
    本庄 眞 (香芝市立真美ヶ丘東小学校)
    植田善太郎 (大阪教育大学)
    木内 功 (財団法人 大阪府立青少年財団)
    秦 誠 (神戸市役所)
    和田浩二 (甲南大学講師)
    北村 真 (弁護士)
    渡邊隆俊 (甲南大学講師)
    石神由健 (大阪商業大学)
    鎌田靖子 (大阪大学)
    松谷陽子 (甲南大学)
    天野雅夫 (甲南大学)
    渡辺理和 (甲南大学)
    樫原利依 (甲南大学)
    Christopher Storey (英国・ランカスター大学 大学院)
       

事務局委員

     
 

事務局長

石神由健 (大阪商業大学)
 

渉 外

鎌田靖子 (大阪大学)
    樫原利依 (甲南大学)
 

庶 務

松谷陽子 (大阪大学)
    西峯信隆 (関西学院大学)
 

広 報

天野雅夫 (甲南大学)
 

会 計

渡辺理和 (甲南大学)
研究会担当:      
◆三つの研究会      
  1.「自然と生命の環境」研究会    
  2.「社会と文化の環境」研究会    
  3.「精神と 心 の環境」研究会    
       
部会担当:      
◆三つの部会      
  1.理論部会    
  2.実践部会    
  3.情報部会    


[RETURN]