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日中環境教育情報交流協会

                               

                           


中国との学術研究交流のあゆみ

協会ニュース

日中環境戦略研究家のレポート・滞在記(大野木昇司)

設立までの歴史

日中における環境問題

21世紀にむけての環境倫理と環境教育

日中環境教育情報交流協会規約

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リンク集


設立までの歴史

 中国との直接のおつき合いは、今から3年前にはじまる。それは、1996年の12月に甲南大学における国際シンポジウム「環境倫理と環境教育−自然の共生をめざして−」を開催したが、その準備として、筆者が10月に学生を連れて訪中したときのことである。その目的は、北京におられる中央教育科学研究所の金世柏先生を日本にお招きするためであった。その際、中国の国家環境保護局、高碑店汚水処理場、101中学校の環境教育の模擬授業などを訪問・見学・参観した。そして、中国の人々や国家の環境対策の努力を知ることができた。
 中国国家環境保護局では、環境教育の広報を担当されている賈峰先生とお会いしたが、そのことが、先生を次の日中の神戸・東京会議へお招きするステップとなった。世の中は縁のものである。
 いずれにせよ、96年の国際シンポジウムでは、中国(金世柏先生)、タイ(ラダワン・カンハスワン先生)、ドイツ(ヴィルヘルム・フォッセ先生)、カナダ(アラン・ドレングソン先生)をお招きした。その環境倫理と環境教育をめぐってのシンポジウムから大きな成果を挙げることができた。
 その後、97年7月に再び中国を訪問して、金先生から北京育達工商学院院長の曹青陽先生を紹介され、また北京大学の田徳祥先生にお会いすることができた。曹先生が主催されている中国の青年たちの「環境教育の活動」や、田先生が顧問されている「環境と発展協会」の指導に強い印象を受け、日本と中国の交流を深める必要を痛切に感じたのであった。
 97年12月に、翌年の日中共同環境教育シンポジウム(北京)の準備のために、金先生、曹先生、賈先生、周又紅先生を神戸(甲南大学)と東京(学習院大学)にお呼びした。これらの会議は、翌年五月に北京でおこなわれる環境教育についてのシンポジウムの準備のためであったが、筆者にはむしろ日中の環境倫理と環境教育についての情報交流の必要性を感じさせるものであった。このときの経験から、国際シンポジウムと日中の交流を恒常的なものとすることが必要であり、「地球環境と世界市民」国際協会(1998年3月)と日中環境教育情報交流協会(1998年5月)の設立を考えるようになった。
 98年3月に、甲南大学において第3回の国際会議「環境倫理と環境教育−科学技術と人間性をめぐって−」を開催した。そのとき、タイのシリワット・ソンダロトック先生、カナダのナンシー・ターナー先生、オーストラリアのリチャード・スミス先生のほか、中国から北京大学の田先生と3人の院生を招待した。北京大学の学生と甲南大学の学生とが、環境倫理と環境教育をめぐって学生会議をもったことは、21世紀を担う若者たちにとってきわめて有意義なものであった。
 98年5月には、曹先生、金先生、田先生、中央教育科学研究所の先生たちとともに、日中(中日)環境教育情報交流協会設立の調印式がおこなわれ、数年に1回、日中のシンポジウムをおこなうことになった。
 その5月には、北京大学100周年記念国際会議「環境科学と持続的発展」に招かれて講演をしたり、河北大学で客座教授として話をしたり、さらに10月には北京理工大学および東北大学で環境倫理と環境教育をめぐって講演をおこなった。
 こうして、日中環境教育情報交流協会の設立大会の準備が調い、今日の第一回シンポジウムに至ったのである。

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日中における環境問題

 このような設立に至る3年の間に、オーストラリア、イギリス、タイ、カナダを訪問する機会があり、世界の環境問題の深刻さを知り、改めて日本と中国の関係−歴史的・地理的関係−から両国の協力が大切と感じたのであった。
 とくに、2回目の訪中(1997年)のとき、山西省陽泉市の教育委員会の招きに応じて、日本の環境問題について講演をしたあと、炭鉱のクズ山を市の協力によって見学させて頂いたが、その状態に驚いた。汚染された大気は、ひとり陽泉市のみならず、省をこえて中国全土に、さらに日本も含めて全世界に広がっていくのである。このように地球環境問題は、国境をこえて考え、世界市民として行動しなければ解決しない問題である。
 どこの国でも矛盾を抱えている。いや、人間自身が矛盾を抱えて生きているのである。それが、利害関係の「対立」になるのではなく、人類同士また人類と地球環境が「共生」する状態にまで努力しなければならない。その意味で、まず日本と中国が環境問題の解決のためには協力することは不可欠である。

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21世紀に向けての環境倫理と環境教育

 日本と中国はアジアに位置するだけでなく、「天人合一」や「自然共生」など、儒教・道教・仏教などの思想を共有している。アジアという風土においては、共通する習慣や規範も多いのである。この点が、アジア以外の人々とは考え方や思惟方法が相違するところである。これをベースとした新たな「環境倫理学」の理論が構築されねばならない。
 さらに、共通の枠組みである環境倫理学の原理によって、21世紀の未来に向けて「環境教育学」の具体化が日中双方の共同ではかられねばならない。
 今回の第1回シンポジウムでは、日中環境教育情報交流協会の設立宣言と21世紀に向けての環境倫理と環境教育が論じられることになろう。実り多い成果を期待するものである。

 なお、今回の設立大会と第1回のシンポジウムが北京大学において開催できましたのも、田 徳祥先生と北京大学の先生方の御協力によるものであります。またそれまでの具体的な作業も、金世柏先生、曹 青陽先生、中央教育科学研究所および組織委員会の先生方の御尽力によります。日本側の代表として、御協力を賜わりましたすべての皆様に心より感謝の気持ちを表したく存じます。

日中環境教育情報交流協会 第1回シンポジウム(設立総会)要旨集「日中環境教育情報交流協会の設立にあたって」(会長 谷口文章)より

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