例によって暴走企画、「KANON」について語るページ

私としては当面様子見するはずだった「KANON」なんですが、 巷の評判があまりに良いので、様子見は2日で終わりました(爆)。

ちなみに今回のタイトルは、 倉本由布の小説「天使のカノン」から拝借しました。
#激甘少女小説が読める人にはこのシリーズ全9巻お勧めです。


システムその他に関して

fjあたりで、 「ONE」にハマれた人なら文句なくお勧め、 そうでない人にも、このスタッフの以前の作品「MOON.」や 「ONE」よりはかなりとっつきやすいので 結構お勧めと評している人がいましたが、 私も全くもってそのとおりと思います。
ただし、シナリオのボリュームはかなりありますので、 くれぐれも健康にはご注意を。

今回は読んだ文章のスキップがあります。
#ちなみにCtrlキーで読んでない文章もスキップできます。
しかも高速なんで、やり込むとさくさくと進められます。
しかし、やっぱり「読み返し」が出来ないので、 次にどんな選択肢が現れるか判っていないと選択に詰まってしまいます。 内容的にもシステム的にも読み返されると困るような事は全く無いと思いますので この点だけはなんとかして欲しいもんです。 「メッセージ枠ドラッグ」とか「メッセージ枠右上クリック」 とかの細かいところには気が利いているんですけどね。

あとバッドエンド。いきなりタイトル画面に戻るのはどうかと。 バグったのかと思ったど。


進捗状況(99.7.27現在)

「ONE」 のようにバッドエンドに意味があるかどうかは今のところ判りませんが、 一応分けておきます。

トゥルーエンド

沢渡真琴水瀬名雪月宮あゆ美坂栞川澄舞倉田佐祐理

バッドエンド

真琴シナリオ

舞シナリオ

あゆシナリオ


キャラ別よた話

水瀬名雪

〜ずっと、あなただけを〜

「そばに、いるよ」

離れて暮らした7年間、 どんな想いを彼女は抱いていたのでしょう。 センスが横に3ヤード程ずれていようが、 「そこがいい」と言ってくる男の1人や2人いたと思います。

近すぎて見えない、そんなことってあると思います。 端から見ているともどかしいくらい。 本人達が思い込んでいるほどには2人の距離が離れていない事に気づいたとき、 景色が変わり始めます。 7年もの時間を超える事の出来た想い、 壁の1枚や2枚を超える事は、少しだけ回り道しましたけど、 不可能ではありませんでした。

ん〜話自体はよくある話で、 きれいにまとまってはいるんですが、 ちとインパクトに欠ける気もしますね。 逆にこんなよくある話をきっちり読ませるものに仕上げてくるあたり、 このスタッフの実力を感じさせます、はい。

美坂栞

〜白い闇の彼方〜

「声が、聞こえました。昼間出会った、見ず知らずの人たち。 その人たちの笑い声が、私を呼んでいるように聞こえました。」

「白に染まった中庭、少女が立っていた。ずっと、ずっと。 何を待っているのか。誰かを待っているのか。」

存在を否定された少女と、その存在を認めた少年。 2人は出会うべくして出会ったのでしょうか? そして、そこにあゆがいたことも。

「大好きな姉にまで存在を否定され、生きる目的も見失った。 そんな私を、私のことを好きだと言ってくれるひと。 私は、このひとのために、大好きなひとのために、残された時間を使おうと、 せめてこのひとの前だけでも笑顔でいようと、心から思いました。」

「クラスメイトの少女がが泣いている。 常勝無敗、無敵のトップの少女が、大好きな妹の運命に心を痛め、 崩れ落ちるように泣いている。 だから俺は決めた。彼女の残された時間、笑顔でいられるよう、 彼女の望む限りずっとそばにいると。 存在を否定などさせない。俺の前だけでなく、姉にも笑顔を見せられるよう、 彼女の笑顔を守りたい、心からそう思う。」

「闇の中、空から続く白い螺旋、あのひとの笑顔が遠くなっていきます。 私、笑えてる?泣いてない?」

「闇の中、雪よりも白い肌の少女、こんなときにまで彼女は笑顔を見せた。 彼女の声が遠くなる。 後悔など微塵も無い、俺にも彼女にも。 だから、笑顔でいようと思う。 それが今の俺に出来る唯一のことならば。」

やられました、それは見事にもう。 あゆシナリオ片づけた後なんで途中から展開がある程度読めてはいましたが、 それでもくらいました。 世間逸般にいう「KANON砲直撃」ってやつです。 キャラもシナリオもツボなのよ〜。

沢渡真琴

〜全てを賭して〜

「自らの命と記憶、その2つを引き換えに起こった奇跡」

「憎悪は愛情に最も近く、激しい感情」

「何があっても忘れない。忘れてもきっと思い出す」

う〜みゅ、純和風ふぁんたじっくすとーりーです。
「ONE」の逆パターンとでもいいますか、 段々と崩壊していく真琴を止められないのが苦しいです。
でも、きっと真琴はほんの一時とはいえ、 人間として祐一と過ごせたことは幸せだったと思います。 記憶を失い、愛しさが憎悪に変わってしまっても、 それでもやっぱり好きになる。 それだけの自信があったからこそ、記憶も、命すらも投げ打った。

真琴と出会って、幸せでしたか?
美汐との出会いは、救いでしたか?
答は、自分自身で見つけてください。

川澄舞

〜戦いの果てに〜

闇。深い闇。私の心を映す深い闇。 私は戦う。それが私の運命だから。 助けなどいらない、理解ってもらおうとも思わない。でも…。

あいつは、やってきた。

日々激しさを増す奴等との戦い。あいつの鼓動と息遣いを背中に感じる。 あいつは、傷ついても私とともにいると言った。 奴等があいつに惹かれる理由を私は知っている。 奴等の正体も、奴等を倒す事が何を意味するかも。 言える訳が無い。あいつは私を信じているのに。

広がる血の海、薄れゆく意識の中、あいつの声が聞こえる。「思い出せ」。
そうか、あいつはやってきたんじゃない、帰ってきたんだ。
光が見える、穏やかで、暖かな光。10年前と同じ光。 願わくばこの優しい光の中、いつまでも。

ん〜ちと終盤に詰め過ぎの感のあるシナリオでしたね。 中盤から徐々に盛り上げていくともっとよかったかも。 「敵」の正体が判るあたりでかなりキてたんですけど、 そのままスカってしまいましたね、私的には。

月宮あゆ

〜思い出のかけらたち〜

どうしても、思い出せないことがあるんだ。
本当に、本当に大切なことのはずなのに。
でも、ボクは探さなくてはいけない。そんな気がするんだ。

大好きな娘がいたんだ。
とっても大好きで、いつもそばにいるのが当たり前で。 でも思い出せなくて。
その娘が誰なのか、どんな風に笑うのか、どんな話をしていたのか。
もう一度逢わないといけない。そんな気がする。

2つの想いが重なり、2人は再会しました。 そして、記憶の糸が全てのかけらを繋いだとき、そこにあったのは悲しい記憶。 忘却は苦しみから逃れる手段ではありません。 忘却を否定したとき、それが始まりのとき。 新しい物語を紡ぎ、楽しい記憶を増やすための、はじまり。

(作品の根幹に関わるメインシナリオなんで、続きはオールクリア後かな?)

倉田佐祐理

(しばし待て)



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