季刊「BURST HIGH」誌(コアマガジン社)で連載 OUT OF HIGH TIMES ★Vol.04★

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第四回 Vol.04
あれも心配これも心配、頭はぐるぐる ぐるぐる空回り。貧乏、心配、健忘症・・・ 高杉弾 Takasugi Dan

             いきなり的にこういうことを言うのもアレだとは思います             が、今回の文章は読み進むにつれて気が重くなるような、胸             がむかつくような、気分が悪くなっていくような文章だと思             うので、それがイヤだと思う人はいますぐ読むのをやめて次             のページをめくってください。本当にその方がいいと思う。              というようなわけで本題に入るけれども、もともとこの連             載には「本題」などというものはなく、かろうじて存在して             いるかに見えるコンセプトのようなことはすでに連載第一回             目で書いてしまっている。あいにく第一回を読んでいないと             いう人は、いわゆるひとつの「もっけの幸い」というやつで             あろう。コンセプトなどというものは、文章に限らずどのよ             うな場合においてもそれ自体が存在として本質的に曖昧なも             のであり、曖昧でなければコンセプトではないと言ってもカ             ゴンではないほどの曖昧性を帯びている。              しかし今回の文章はそうした曖昧性やら、わけのわからな             いコンセプトやら、本題やらをわけもわからずヤミクモに語             ったりすることによって読む人の気を重くしてやろうとか、             胸をむかつかせてやろうとか、気分を悪くしてやろうとかい             った悪質な意図のもとに書かれるものではない。ぼくはその             ような悪意に満ちた人間ではないし、そんなことをしたいと             も思わない。ただ、なんというか・・・、問題はもっと具体的             なのだ。              ぼくはかなりの貧乏性で、相当な心配性なのである。その             ことでとても不安になったり、心配で寝られなくなったりす             る。              日本人によくありがちな貧乏症については、作家で芸術家             で写真も上手でトマソンや老人力でも有名な赤瀬川原平さん             が『優柔不断術』という本で徹底的に研究しているが、ぼく             の場合もっとも顕著に表れているのが裏の白い紙である。新             聞広告やダイレクトメールや電話代の請求書等の裏の白い紙             を捨てられない。メモ用紙や行動予定表に使うために手の届             く棚にまとめて保存しておく。しかし、溜まっていく枚数の             方が使う枚数より多いので、半年もすると棚は裏の白い紙で             一杯になる。しかしだからといって、それをまとめて捨てた             りはできない。             胃薬 歯磨き粉 郵便局 現金引き出し おーいお茶 滝本             にTEL ビタミンC シャープペンの芯 現像出し ビッ             クカメラ 金魚の餌 タバコ              などと書いたメモ用紙が一枚あると、その日のうちに薬の             量販店と郵便局と銀行とコンビニと文房具屋と写真屋と園芸             屋とタバコ屋を全部回るのは無理だから、その日は近所で済             む用事だけを済ませ、喫茶店でコーヒーを飲み、帰宅して残             ってしまった用事や買い物だけを別のメモ用紙に書き写す。             しかしその書き写したメモ用紙を翌日たまたまポケットの奥             にしまい込んで忘れてしまったりするとまた大変なことにな             った気がして気に病んでしまう。そうこうしているうちにす             ぐ二、三日が過ぎてしまい、今度はタバコの買い置きがなく             なる。タバコがなくなることは麻薬中毒者の薬切れと同じだ             から、とても不安になる。そういうときに猫が床にゲロを吐             いていたりすると、なんだかもう絶望的な気持ちになる。さ             らにKDDIからは22円とかの請求書が来ているし、いま             住んでいるマンションを売りませんかとか、健康のために青             汁を飲みましょうとか。毎日毎日ダイレクトメールやクレジ             ットカードの請求書も届く。そうしてまた裏の白い紙がたく             さん溜まっていく。もっともっと使わなくちゃ使わなくちゃ             使わなくちゃとなり、ほとんど神経症である。              ところで「症」という字を見ると病気を連想するが、この             連想はごく自然な連想であり、「症」と「病」を正しく区別             して使っている人は少ないと思う。たしかにぼくは生まれつ             き脳味噌が畸形で、糖尿病のせいで足は四六時中びしびしに             痺れていて、結核で隔離されたこともあり、現在はこれに五             十肩や股関節痛や健忘症も加わって、ときどき背中や胸も痛             むけれども、いったいどれが症でどれが病なのかよくわから             ないから、深く考えたりしても無駄のような気もする。              しかし書いてみてわかるのは、貧乏症も心配症も病ではな             く症だ。あれ、ワープロで「びんぼうしょう」と打つと「貧             乏性」と変換される、ということは症状ではなく単なる性癖             なのか。性から症、症から病になるにつれて重くなるのか。             たしかに貧乏病や心配病はちょっとなあ。医者も本気で診て             くれない気がするし。              いやまあ、そういうことではなくて、たとえばタバコを一             日に40本も吸っていたら、いつ癌になっても文句は言えな             いとか。いや文句を言いたいわけではなくて、癌になって病             院に入院して、それがだんだん手のほどこしようもないほど             悪化してきて、もう死ぬしかないようなことになったりして。             イヤですよねえ、やっぱり。でもタバコ、やめられないでし             ょ。だけど「タバコやめるぐらいなら死んだ方がマシ」なん             て言えないですよね絶対に。関係ないけど、ガンジャの吸い             サシをほぐして集めて新しく巻き直したこと、何度もありま             すよね。              パソコンのデスクトップを見るとその人の性格がわかると             かって言いますけど、パソコン以前に、ぼくの場合はパソコ             ンが置いてある仕事部屋の様子を見たら一目でこいつアホや、             というのがわかります。外から見えない棚の中に物を仕舞っ             てしまうと、それはもう無いのと同じ、仕舞い込んでしまっ             たカメラは持っていないのと同じ。持っていることを憶えて             いたかったら見える場所に置いておくこと、というので、カ             メラから本から筆記道具から時計から何から何まですべて見             えるところに置いてあるもんだから、もう部屋の中はめちゃ             くちゃです。自分としてはめちゃくちゃとは思わないんだけ             ど、人から見たらめちゃくちゃ。たしかにね、どうしてこう             いうことになるんだろう、とは思いますよ。たぶん脳味噌の             畸形のせいでしょ。そうに決まってる。              そんなわけでパソコンのデスクトップ。当然ながらめちゃ             くちゃですよ。いやめちゃくちゃじゃないです。自分では使             いやすい。だけど、こないだウチに遊びに来た友人が言うに             は、完全にアホのデスクトップなんだって。どうしてって聞             いたら、だってお前、なんでこんなにバカみたいにエイリア             ス並べてるのよって言うんですよ。そりゃもちろん大本はハ             ードディスクのホルダーの奥の奥の方にあったりするわけだ             けどさ、それいちいち探しに行ってたら面倒だからエイリア             スっていう機能があるわけでしょ。だったら、よく使うソフ             トとかファイルは全部エイリアス作ってデスクトップに並べ             ときゃ便利じゃん。と思って次々に並べてたら、ついにデス             クトップがエイリアスのアイコンで埋まっちゃったんですよ。             そうするとファイル開いたときにウィンドウでエイリアスの             アイコンが隠れて見えなくなる。あれっ、と思ってももう遅             い。それからちょっとエイリアスの整理なんかして、いま数             えてみたら28ぐらいありましたね。そのうちゴミ箱のエイ             リアスが3つ。だってゴミ箱って画面の四隅にあった方が便             利じゃないですか。ゴミ箱を画面の四隅に置くのって、やっ             ぱり貧乏性かなあ。それともアホか。              いま思い当たったというか、ぼくの場合、貧乏性と心配性             だけじゃないですね。健忘症っていう「症」が激しく作用し             てるね。メモ用紙の件もデスクトップの件も、貧乏性と心配             性だけじゃどうも納得いかないけど、健忘症で考えると腑に             落ちますよ。              裏の白い紙のところに「1・歯をみがく 2・散歩 3・             カメラあと2枚 4・仕事忘れるな 5・コンビニ」とか書             いてて、忘れないようにその紙をタバコのセロファンの間に             挟んで、散歩の途中の喫茶店でああ歯磨くの忘れてたとか、             散歩散歩、OK散歩はOKとか、フィルムあと2枚残ってる             んだよこのカメラの中にさとか、わあ仕事仕事、締め切り守             らなくちゃ、でもなに書こうか、うわあ困ったとか、うんう             んその前にコンビニでおーいお茶だよ、とにかくお茶とか、             頭の中で確認しますよ、よく、何度も何度も。そういうとき             ってさ、自分、頭おかしいよ絶対って思う。これってなんか             病気かもしれないって。いつまでも自意識過剰やってるとほ             んとに頭おかしくなるぞって。              鬱病とか躁病とか流行ってるらしいけど、あれ全部自意識             過剰から始まるんだよって、どっかの先生が言ってたけど、             そうかも知れないですよ。もっと人生っていうものを軽く考             えた方がいい。三回ぐらい頭の中で言ってみたほうがいい。             「人生は軽く考えよう」             「人生は軽く考えよう」             「人生は軽く考えよう」              人間の悩みのほとんどは人間関係かお金か病気って言われ             てるらしいけど、ぼくの場合お金と人間関係の悩みはほとん             どない。肉体的な病気と、頭がおかしくなってきてるんじゃ             ないかという不安。ほとんどこれだけですね、うわははは。              って、やっぱり空虚に笑ってる場合じゃないような気がす             るんですよ。一日三回も腹にインシュリン注射打ってさ、ビ             タミン剤がばがば飲んでさ、裏の白い紙裏の白い紙メモメモ             メモ。散歩散歩一日5キロ血糖値。うう股関節が痛い肩が痛             い胃も痛い、ああ足がしびれる痛い痛い痛い。とにかくお茶             でも飲んで気を楽に。そういえばお腹も減ってるし、ああ眠             い眠いとか言ってるうちに一日が終わってしまう。なんだか             忙しくて何もできない毎日なんですよ。すごく不思議なんで             すけどね。

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