季刊「BURST HIGH」誌(コアマガジン社)で連載 OUT OF HIGH TIMES ★Vol.06★

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第六回 Vol.06
近代テクノロジー。好きなんだけど、ほんと うに僕たちを豊かにしてくれたのか? 高杉弾 Takasugi Dan

             テレビとパソコンと携帯電話が世の中から消えてしまったら、             どんなに気が楽になるだろう。と考えたことはないだろうか?              この三つの現代を代表するかのようなテクノロジーによって、             ぼくたちの毎日の生活はほとんど決定的に束縛されている。し             かもそれは、まるで麻薬中毒者のように、だ。              ごく最近の調査によると、ゼロ歳から12歳の子供が欲しがっ             ている大人の持ち物を聞いたところ、子供の年齢層や性別を問             わず携帯電話が断トツ。二位以下は化粧品、鍵、財布、パソコ             ン、アクセサリー、カメラだった。              自分が12歳の頃を思い出してみると、ずいぶん様子が違って             いるのがわかる。ぼくが欲しかったのは、カメラ、磁石、天体             望遠鏡、それに女の子のパンツだった。              きみたちは知らないかもしれないが、ぼくが生まれた頃は、             この悪魔のような機械、テレビも、パソコンも、携帯電話も、             まったく存在していなかった。どこかの研究所にはテレビや大             型コンピューターぐらいはあったかも知れない、といった程度             の時代だ。いや、そんなに大昔の話じゃない。ほんの五十年ほ             ど前の時代だ。そして、もっとも大事なのは、テレビもパソコ             ンも携帯電話もなかったからといって、誰も不便など感じてい             なかった、ということだ。              いまさらそんな話、いったい誰が聞くものか、と思っている             だろう。だけどそれは、テレビやパソコンや携帯電話がないと             生きていけない自分を想像したくないからだろう?             なにが一番大切ですか?              では、こんな質問はどうだろうか。              次の中で、自分の生活になくてはならないと思うものを順番             通りに並べ替えなさい。             ●テレビ             ●パソコン             ●携帯電話             ●カメラ             ●カラオケ             ●アクセサリー             ●マンガ雑誌             ●好きなタレント             ●母親             ●友達、恋人、愛人、配偶者             ●コーヒー             ●お酒             ●たばこ             ●大麻             ●覚醒剤             ●冷凍食品、カップラーメン類             ●ギャンブル             ●セックス              すこしは問題がはっきりしただろうか。なにが問題なのか、             よくわからなくなった人だっているに違いない。では、こうし             よう。上の質問に答えてくれた読者の中から5人の人に、この             原稿の原稿料を等分に分けて進呈しよう。ただし、答えを電子             メールで送ってくれた人だけだ。メールはぼくのホームページ             から送れる。振り込み先は銀行口座に限る。             そんなことより「肉体関係」              さて、話を脇道に逸らしている場合ではない。いや、こんな             ことについて考えていること自体が人生の脇道なのかも知れな             いが。              たしかに、ぼく自身が、いまや他人のことをああだこうだ言             っている場合ではないのである。テレビもパソコンも携帯電話             もなければ、とは言うものの、テレビを社会との窓口とし、パ             ソコンで日記や手紙や原稿を書き、携帯電話で人と連絡を取り             合っているのが日常生活の現実というものだ。しかしそれ以前             に、ぼくの生活には問題が多すぎる。              歯が痛い。毎日ビタミン剤を飲まないと不安。睡眠薬がない             と寝られない。インシュリン注射で血糖値を下げている・・・。             肉体に関する不安が常に脳味噌を支配している。そして、じつ             はそのことに支配されて、他のことをまともに考える余裕がな             くなっているだけなのかも知れない。これをむずかしい言葉で             「薬物依存」または「肉体関係」と言うのだろうか。              いま、世界の経済と人間の脳味噌をコントロールしているの             は電信電話会社と製薬会社なのだそうだ。              ああ、いやだいやだ。近代テクノロジーと肉体関係に支配さ             れて、ぼくはとても変な人間になってしまった。なにしろ、イ             ンターネットで知り合って一緒に自殺をする人がいる時代だ。             しかし、イラクに軍隊ですらない無駄な人間を派兵している国             の国民には、そういうことを批判する資格すらないはずだ。北             朝鮮の、いったい何が悪い。             またまた新しいバビロン・システムへ              いい加減に頭を切り換えて、テクノロジーの問題に戻ろう。              毎日毎日「薬物依存」や「肉体関係」に悩まされながら文章             を書いているぼくにとってさえ、マッキントッシュというパソ             コンはとても便利で、なおかつ生活になくてはならない存在に             なっている。テレビを見ない日はあっても、マックを使わない             日はない。そういう生活が、もう十年以上続いている。インタ             ーネット、文書作成、電子メール、音楽再生というのがもっと             も頻繁に使う機能だ。そしてつい最近、いま話題の〈iPod〉と             いう音楽再生装置を入手した。              ぼくはもともとヘッドホンで音楽を聴くのが好きではないし、             路上や電車の中で音楽を聴きたいと思ったことはなかった。だ             から、アップル・コンピューター社がiPodを出したときも、興             味はあったけれども欲しいとは思わなかった。ところが、たま             たま普段使っている某クレジットカード会社がサービスでiPod             をくれると言うので、これもなにかの縁だと思って貰うことに             した。しかし、近代最悪のバビロン・システムといわれるクレ             ジットカード会社がiPodをくれるというのも妙な、というか良             く出来た話だ。              ともあれ、送られてきたのは小さな筐体に20ギガバイトも入             るという驚異的な機械で、試しにCDを一枚録音してみたら、             なんと、たったの1分程度で一枚分が入ってしまう。おまけに             曲名やアーティスト名やアルバム名やジャンルまで自動的に記             録される。で、一週間足らずのうちに、ついつい50枚以上のC             Dを録音してしまったが、そのうちの何枚かはすでにアナログ             LPレコードで持っている物を新たにCD屋に行って買ってし             まった物だった。              こうしてぼくは、またまた新しいバビロン・システムに取り             込まれてしまったのだった。              もう実際に使っている人も多いと思うけど、iPodは恐ろしく             便利な道具である。ポケットにも入る小さな筐体に、数千曲も             の音楽を収録でき、それを瞬時に再生できる。曲の分類も思い             のままだし、ランダム再生にセットすれば西田佐知子の次にマ             イルス・デイビスが流れたりもする。              しかし、この最新鋭のテクノロジー機械にも決定的な欠陥が             ある。致命的なまでに音質が悪いことだ。膨大な数の曲のデー             タをデジタルで圧縮して収録するわけだから、これはしかたの             ない問題なのかも知れない。しかし、音楽だけは経済状態の許             す限りいい音で聴きたいと思い、ステレオ装置を何度も買い換             えてきたぼくにとって、なにを今更こんなにも音質の悪い装置             に入れてまで聴きたいのか、という思いが消えることはないの             だ。              いったい自分は何を求めていたのか。そう、「便利さ」だ。             便利さと引き替えに「いい音」を犠牲にしたのではないのか。             いい音を聴くという根源的ともいえる欲望は、そうやすやすと             「便利さ」などというものの前に犠牲にされていいものなのか。              考えてみれば、現代のテクノロジー・システムのほとんどが、             「便利さ」という悪魔的なマジックを身に纏って登場し、あっ             という間に人々を恐ろしいバビロン・システムに追いやること             になる。新製品は、広告によってそれを必要としない人々にま             で欲望をかき立ててくる。              テレビも、パソコンも、携帯電話も、CDや持ち運び型音楽             再生機も、あるいは新幹線や飛行機も、そして、ひょっとした             ら国家という最大の管理機構でさえも、ただ「便利」なだけと             いうバビロン・システムの産物だったのではないだろうか。              言っておくが、これは「自然と人間の共生」などというチン             ケな問題を語っているのではない。ぼくは最初から麻薬中毒の             問題を語っているつもりだ。麻薬中毒者にとって、麻薬は天国             への切符であり、生活必需品であり、同時に恐ろしい悪魔でも             ある。いわば、近代テクノロジーとなんら変わるところはない             のである。             ラーメンどんぶりに指を突っ込むな              現代人は全員麻薬中毒なのか?              これを否定しうる論理は存在しえるのか?              欲望という人類最大の霊的機関が「文明」を作り出してきた             のだとすれば、その先端に位置する「便利機械」と「麻薬幻想」             との関係性は、個の中でどのように認識、処理されるべきなの             か?              人間の「欲望」が人類を滅亡に向かわせるのか?              でもダイジョーブ。人間そんなことではメツボーしません!             iPodは外で、家では貧乏人には買えない高いステレオでアナロ             グLPとかCDを聴いていればいい。テレビは見なきゃいい。             パソコンは一日2時間までにしましょう。セックスも控え目に。             ドラッグには手を出すな。大麻なんかやってふらふらしている             日本人はお前の他にあと8人ぐらいしかいないぞ。トイレに入             ったらちゃんと手を洗おう。ラーメンどんぶりに指を突っ込む             な。


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